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「菜虫化蝶」

早いもので、3月も下旬を迎えようとしています。
年度末に差し掛かり、
いつにも増してせわしないお時間を
過ごされているかたも多いのではないでしょうか。

先日、ひと息入れようと
街を歩いていたとき、
偶然にも
ゆらゆらと舞う
一対の紋白蝶に遭遇しました。

ひらりひらりと
複雑に絡み合いながら
彼方へと舞っていく蝶たち。

うららかな陽気のなか、
春の息吹がそこかしこに感じられる
そんな素敵な季節の到来です。

「菜虫化蝶」

古くより日本の季節あらわす指標として用いられている
「二十四節気」では、
新暦の3月5日~3月19日頃までを「啓蟄」と呼びます。

さらに二十四節気を三分割した
「七十二候」では、
初候、次候、末候のそれぞれに風流な漢文が付されており、
ちょうど今が、末候の「菜虫化蝶(なむしちょうとかす)」頃ですね。

アオムシからさなぎへ。
さなぎから麗しい蝶へ。
メタモルフォーゼしていく蝶の姿は
これから訪れる百花繚乱の春を
予感させます。

忙しい毎日のなか、
すこしだけ、心に耳を澄ませてみませんか。

春の訪れを予感するような自然な出会いが、
ここには待っています。

文=吉原 早織